ウイルス 人類はおしゃべりウイルスは無言 太田沙良 79    
植木植える 植木植う隣の主婦のひとり歌 桐村日奈子 6    
うどん 留袖を脱ぐきつねうどんが食べたい おーたえつこ 61    
馬の耳 お世辞などよく聞きわけて馬の耳 おーたえつこ 2207    
うるう秒 うるう秒黒いうさぎのねむりけり おーたえつこ 21    
海老 エビのヒゲ広げて見せて笑顔かな たかはしすなお 28    
おかめ 私の顔に似てゐるおかめかな 辻 響子 37    
オープンカー 息あらくオープンカーを降り立てり しのざき沓 19    
カルピス カルピスの濃さのこだわりオリンピック 本西一代 48    
ガバの実 ハロン湾/青いガバの実/カトリーヌ 火箱ひろ 65    
友情というなら楠の大樹かな つじあきこ 50    
木馬道 木馬道へ父の幻確かめに 後藤晴美 72    
ゴム ゴムの木のリストカットのやうな傷 火箱ひろ 17    
  古傷をさらしゴムの木まつすぐな 火箱ひろ 17    
ごんぼ汁 椀五つ盆にのせ来てごんぼ汁 辻水音 45    
珊瑚 海底の珊瑚の死骸道をなす たかはしすなお 19    
  打ち寄せる波よ珊瑚のシャリシャリと たかはしすなお 19    
水牛 水牛のめざすところは泥の川 火箱ひろ 17    
透く 身が透くよ錫のお皿でいただけば 火箱ひろ 17    
素麺 素麺が好きで一人でいられるの 中井いろは 47    
第九 第九いま宇宙船艦送り出す 鈴木みのり 69    
ダンゴ虫 そつと出すグーを開けばだんごむし 辻響子 23    
  着飾って芸奴もだんなもだんご虫 佐々木麻里 79    
蕾時 亡き姉は良い子できれい蕾どき 火箱ひろ 30    
吊り橋 吊り橋をひとりぼつちで渡りけり 太田悦子 8    
菜っ葉 おしまいやすバッグを菜つぱはみ出して 松井季湖 24    
バジル 竹笊にバジルの香りむせるやう 辻響子 35    
ぼた餅 ぼた餅を食うてしまえばまた嘆く 火箱ひろ 46    
藤蔓 藤蔓を切るや切れ字を大切に たかはしすなお 71    
河豚提灯 づぼらやの提灯河豚に毒は無し いろは 79    
ヘリコプター 前大統領飛び去りてゆくヘリコプター 山田くみこ 65    
星空にユーフォニアムのソロパート 波戸辺のばら 76
星明り 星明りからだが痛み発信す はしもと風里 2210    
マグロ船 マグロ船沈めて海は静かなり たかはしすなお 28    
窓開ける 窓開くときに希望を持つ朝も はしもと風里 2311    
マンタ 手招いてマンタを呼んでみたりして たかはしすなお 15    
  息とめし我の上行くマンタかな たかはしすなお 15    
  口開けしままにマンタのせまりくる たかはしすなお 15    
密林 ゆき違ふ列車を待つや密林に 火箱ひろ 17    
  密林に来たよ魂濃ゆくなる 火箱ひろ 17    
水茶漬 主婦業閉店しました水茶漬 辻響子 79    
椰子 ほたほたと八重山椰子の花散れり たかはしすなお 15    
  大空を波立て椰子の樹海かな 火箱ひろ 17    
  いいかげんうんざりしたる椰子畑 火箱ひろ 17    
  椰子一本牛一頭のくらしかな 火箱ひろ 17    
  椰子の屑椰子の箒で掃き出しぬ 火箱ひろ 17    
  椰子の実はどすんと落ちて転がって たかはしすなお 21    
  椰子の実の島へ星座の切手貼る 太田沙良 71    
流鏑馬 流鏑馬や栗毛の馬の艶つやと 大槻晴美 74
宵闇 宵闇やたぶん欅ねさはさはと はしもと風里 28
夜風 月島のぬるき夜風や衣紋竹 加藤いろは 27
ラジオ体操 ラジオ体操朝の光と友だちに 林田麻裕 2307